【NEWS】オリーブ・コンソートCD、仏ディアパゾン誌 5つ星を受賞!

オリーブ・コンソートCD「リコーダーによる作法の新旧」が、仏ディアパゾン誌にて5つ星を獲得しました!
コンソートメンバーの田中せい子氏の和訳によるCD評を掲載いたします。

 

【ディアパゾン誌5つ星受賞CD:オリーブ・コンソート「リコーダーによる作法の新旧」CD評】

イギリスの音楽家たちを主軸に、(ヘンリー8世の手写本に収められている)フランドル楽派の作曲家イザークや、イタリアのコスタンツォ・フェスタ、ベリオの作品が並ぶ、といった多彩なプログラムのCDである。CD全体がリコーダーという楽器の響きに特化しているのに対し、ベリオはジェスティという、一見CD向きでないとも言える曲で、あえてその響きから遠ざかろうとしているように見える。

オリーブ・コンソートは対位法の「厳格さ」にではなく、「歌」の部分に重きを置いている。例えばヘンリー8世の「コンソート1番」の旋律の情熱的な演奏!4人のリコーダー奏者が美しいと確信して演奏していることを、聴き手は確信をもって感じ取ることができる!

ジョン・ロイドの「パズルカノン」は譜面上は複雑で不思議な曲だが、聴き手にとってはとても面白い。まるでこのリコーダー奏者たちのために書かれたような曲だ。安定した響きから離れて時々聴かれる、か細く長く、ピアニッシモで消えていくような音や、軽いヴィブラートが非常に効果的だ。「パズルカノン1」では音程をくっきりさせるためにテンポは少し柔軟になり、「パズルカノン2」の出だしは、まるでカリヨンを思い起こさせるようなテーマが、取り憑かれたように何度も繰り返され、心地よくスイングする。

使用される数々のリコーダーの響きの意外な組み合わせも効果的だ。ヘンリー8世の「コンソート22番」は低音域のまろやかで静かな響きが消え入るように終わる。そしてさっと次の曲では高音域に飛び上がる、といった響きのサプライズがある。

これらの音楽的こだわりはとてもクリエイティブで表現力を持つものであり、タイトルの「作法」という言葉の意図はここにあるのだろうと想像できる。ブックレットには多くの曲の解説とともに手写本のファクシミリがカラーで掲載されている。

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ロイック・シャイーヌ
(田中せい子翻訳英訳より)